はじめに:ただの「モノ」を「欲しい!」に変えるもの
あなたの会社には、きっと素晴らしい商品やサービスがありますよね? でも、どんなに良いものでも、それがお客様に「伝わらなければ」、残念ながら「売れる」ことには繋がりません。
まるで、ものすごく美味しいケーキを焼いたのに、何の表示もない真っ白な箱に入れて売ろうとしているようなものです。お客様は「これ、何だろう?」「美味しいのかな?」と迷ってしまい、結局買ってくれないかもしれません。
お客様に「これ、欲しい!」と思ってもらうためには、商品に「言葉のラベル」を貼ってあげること、つまり、その商品の「一番の魅力」を言葉で伝えてあげることが、とっても大切なんです。
1. 情報があふれる現代と、「選べない」お客様
今は、インターネットやお店に行けば、同じような商品がたくさん並んでいますよね。例えば、スマホの充電器一つとっても、形や色、値段、ブランドなど、本当にたくさんの種類があります。
こんなに情報があふれていると、お客様は「どれを選べばいいんだろう?」と迷ってしまいます。商品の説明がズラッと並んでいても、全部読むのは大変ですし、結局どれがいいのか分からなくなってしまいます。
お客様は、じっくりと全ての情報を読んで比較する時間も気力もありません。パッと見て、「これだ!」と思える何か、つまり「買う理由」を求めているのです。
2. 「言葉のラベル」がお客様の「欲しい!」を引き出す
そこで、魔法のように効くのが、商品に貼る「言葉のラベル」です。これは、単なる商品説明ではありません。
「言葉のラベル」とは、お客様がその商品を見た時に、「あ、これは私のためのものだ!」「これが欲しかったんだ!」と直感的に感じてもらえるような、商品の「特徴」や「お客様が得られる良いこと(メリット)」をギュッとまとめた言葉のことです。
例えるなら、お店のケーキに「ふわふわ濃厚!とろける生チョコケーキ」と書いてあるのを見たら、「美味しそう!」「買いたい!」と思いますよね。これは、ただの「チョコレートケーキ」という名前以上の「言葉のラベル」が、お客様の食欲を刺激しているからです。
この「言葉のラベル」がしっかり貼られていない商品は、どんなに品質が良くても、お客様にその価値が伝わらず、残念ながら売れないままになってしまうことが多いのです。
この記事では、なぜ売れる商品には「言葉のラベル」が不可欠なのか、そして、お客様の「欲しい!」を引き出す「魔法の言葉」をどう見つければ良いのかを、素人目線で分かりやすく解説していきます。あなたのビジネスが、お客様に「買いたい!」と一瞬で思ってもらえるような「言葉のラベル」を見つけるヒントを見つけていきましょう。
第1章:なぜ「言葉のラベル」がないとダメなの?お客様の「迷う気持ち」をなくすために
「言葉のラベル」が商品にないと、お客様は「これは何だろう?」「私に合っているのかな?」と迷ってしまい、結局買わない、という結果になりがちです。お客様が迷ってしまうと、残念ながら、あなたの商品の良さは伝わりません。
1. 「たくさんある中から、どれを選べばいいの?」
例えば、あなたがコンビニにおにぎりを買いに行ったとします。もし、全てのおにぎりのパッケージが真っ白で、中身が何か全く分からない状態だったら、どうしますか?
- 鮭? 梅? 昆布? ツナマヨ? どれだろう…
- もしかしたら、苦手な具材かもしれない…
- 結局、買うのをやめてしまうかも…
実際には、おにぎりにはちゃんと「焼鮭」「梅しそ」「ツナマヨ」といった「言葉のラベル」が貼ってありますよね。だから、あなたは迷わずに、今食べたいおにぎりを選ぶことができるのです。
商品も同じです。特にインターネットでは、文字と写真が頼りです。お客様はたくさんの商品の中から、自分の「欲しい」に合うものを瞬時に見つけようとします。そんな時、商品の「言葉のラベル」がなければ、お客様はあなたの商品の存在にすら気づかず、通り過ぎてしまうでしょう。
2. 「結局、何が良いのか分からない…」
例えば、あなたが新しい掃除機を探しているとします。電気屋さんの棚に、A、B、Cと3台の掃除機が並んでいます。どの掃除機にも、ただ「高性能掃除機」とだけ書かれていたら、どうでしょうか?
- A:「吸引力1.5倍で、アレルギー物質も徹底除去!」
- B:「音が静かで、夜中でも気兼ねなく使える!」
- C:「コードレスで軽々、どこでもスイスイ掃除!」
もし、それぞれの掃除機に上のような「言葉のラベル」が貼ってあったらどうでしょう?
「うちは犬を飼ってるから、Aの『アレルギー物質除去』が気になるな」
「夜に掃除することが多いから、Bの『音が静か』なのは助かる」
「部屋が広いから、Cの『コードレスで軽々』は魅力的だな」
このように、お客様は「言葉のラベル」を見ることで、「この商品は、私にとってどんな良いことがあるのか?」を瞬時に理解し、自分にぴったりのものを選ぶことができるのです。
「高性能」というだけでは、お客様は「それが自分にどう良いのか?」が分かりません。大切なのは、お客様が「なるほど、これがあれば私のこんな悩みが解決するのか!」と感じられる「言葉のラベル」を付けることなのです。
3. 「自分に語りかけてくれてる!」と感じてもらうために
「言葉のラベル」は、お客様に「これは自分のための商品だ!」と感じてもらうためにも大切です。たくさんの商品の中から、お客様は「自分に語りかけてくれる」ような商品を探しています。
例えば、あなたが肌荒れに悩んでいて、化粧品を探しているとします。
- A:「保湿成分配合のスキンケアクリーム」
- B:「敏感肌のための、トラブルを繰り返さないバリアクリーム」
どちらの「言葉のラベル」が、あなたの心に響くでしょうか? おそらくBですよね。なぜなら、Bはあなたの悩み(敏感肌、トラブルを繰り返す)に直接語りかけ、解決策(バリアクリーム)を提示しているからです。
このように、「言葉のラベル」は、お客様の悩みを理解し、その悩みを解決できる商品であることを、まるで友達が親身になって教えてくれるかのように伝えてあげる役割を持っています。お客様は「あ、私のことを分かってくれてる!」と感じ、安心して商品を選んでくれるようになるのです。
第2章:お客様の心に刺さる「魔法の言葉」を見つける3つのコツ
では、どうすればお客様の「欲しい!」を引き出す「言葉のラベル」を見つけることができるのでしょうか? ここからは、そのための具体的なコツを3つご紹介します。
1. コツその1:お客様の「悩み」や「こうなりたい」を想像する
一番大切なのは、あなたの商品の「素晴らしい機能」を語る前に、お客様がどんなことで困っていて、どんな風になりたいと思っているのか、お客様の気持ちになって考えてみることです。
- お客様の悩み:「毎日料理が面倒…」「肌荒れが治らない…」「肩こりがひどい…」「勉強が続かない…」
- お客様の「こうなりたい」:「もっと楽に料理したい!」「きれいな肌になりたい!」「スッキリした肩になりたい!」「楽しく勉強したい!」
あなたの商品は、お客様のどんな「困った!」を解決してあげて、どんな「嬉しい!」を叶えてあげられますか? その「解決できること」や「叶えられる嬉しいこと」を、そのまま「言葉のラベル」にするのです。
具体的な例:
- ただの「電気圧力鍋」ではなく…
→「**仕事から帰って疲れてても、ボタン一つで絶品夕飯!時短・ほったらかし電気圧力鍋**」
(お客様の悩み:料理が面倒、時間がない → 解決策:時短、ほったらかし) - ただの「英会話教材」ではなく…
→「**マンツーマンで挫折しない!3ヶ月で英語が話せるようになるオンライン英会話**」
(お客様の悩み:英語が苦手、続かない → 解決策:挫折しない、短期間で話せる)
商品の機能(電気圧力鍋、英会話教材)だけでなく、それを使うことでお客様が「どんな良い未来」を手に入れられるのかを言葉にすると、お客様は「これ、私のことだ!」と感じてくれます。
2. コツその2:ライバルと「何が違うか」をハッキリさせる
お客様の悩みや願いを想像するだけでなく、あなたのライバルたちがどんな「言葉のラベル」を使っているかを知ることも大切です。
もしライバルと同じような「言葉のラベル」を付けてしまうと、お客様は「どれも同じに見えるな…」と迷ってしまい、あなたの商品を選んでくれません。だから、あなたの商品の「特別なところ」や「一番の強み」を、ライバルと比べてハッキリさせる必要があります。
具体的な例:
- 普通の洗剤がたくさんある中で…
→「**香りは残らないけど、頑固な油汚れは秒で落ちる!プロ仕様の強力洗剤**」
(ライバルとの違い:香りでごまかさない、プロ級の洗浄力) - たくさんのハンドクリームがある中で…
→「**ベタつかないのに、手荒れが一晩でツルツルになる!塗ってすぐスマホ触れるハンドクリーム**」
(ライバルとの違い:ベタつかない、即効性、利便性)
あなたの商品の「唯一無二」の魅力や、「ここだけは負けない!」というポイントを、お客様に伝わる言葉で表現することが、お客様に「あ、これは他とは違うぞ!」と思わせる鍵になります。以前学んだSTP理論の「ポジショニング」を考えるのと同じですね。
3. コツその3:短く、分かりやすく、お客様が「得する」言葉にする
「言葉のラベル」は、長すぎず、難しすぎず、そしてお客様が「これを使ったら私にとって良いことあるぞ!」とすぐに分かるようにすることが大切です。
- 短く:パッと見て、スッと頭に入るくらいの長さが理想です。お店の看板やWebサイトのタイトルなどをイメージすると分かりやすいでしょう。
- 分かりやすく:専門用語は使わない。小学生でも「あ、そういうことね!」と理解できるくらい簡単な言葉を選びましょう。
- お客様が「得する」:「〜できる」「〜になる」「〜が防げる」といった、お客様にとってのメリットが明確に伝わる言葉を選びます。「機能」ではなく「お客様が得られる結果」を伝えるのがポイントです。
ダメな例:
「高度なナノテクノロジーを駆使した、生体適合性ポリマー配合の経皮吸収型保湿剤」
→ 長い! 難しい! 何が得するのか分からない!
良い例:
「**塗るだけでしっとり透明感!翌朝プルプルの肌に変わる高保湿美容液**」
→ 短い! 分かりやすい! 「しっとり透明感」「プルプル肌」という良い結果がイメージできる!
まるで、お菓子のパッケージに「カリカリ!サクサク!やめられないとまらないポテトチップス」と書いてあるのと同じです。どんな食感で、どんな気持ちになるのか、言葉で伝わってきますよね。
まとめ:「言葉のラベル」は、お客様への「ラブレター」
「言葉のラベル」は、あなたの素晴らしい商品やサービスを、お客様に「見つけてもらい」「理解してもらい」「欲しい!と思ってもらう」ための、とても大切な道具です。
今の時代、ただ商品を並べているだけでは、お客様はたくさんある情報の中で迷子になってしまいます。お客様は、まるで自分に語りかけてくれるような、自分の悩みを解決してくれるような「特別な言葉」を探しています。
まるで、好きな人に自分の良いところを伝える「ラブレター」を書くのと同じです。相手が何を求めているのか、どんな言葉なら響くのかを想像し、心を込めて言葉を選ぶことで、初めて相手に気持ちが伝わります。
あなたの会社の商品やサービスに、お客様の心に「ズキュン!」と刺さる「言葉のラベル」をぜひ貼ってあげてください。
そうすることで、あなたの商品は、ただの「モノ」ではなくなり、お客様にとって「なくてはならない存在」へと変わっていくはずです。そして、お客様は迷うことなく、あなたの商品を選び、喜んでくれることでしょう。