「心の動き」:【カスタマージャーニー】を【感情】で深掘りする「4つのステップ」

こんにちは!突然ですが、「マーケティング」って聞いたことありますか?

難しそうな言葉に聞こえるかもしれませんが、実は私たちの身の回りにある、たくさんの商品やサービスが、お客さんに「これ、いいな!」って思ってもらって、買ってもらうために考えている「お仕事」のことなんです。

今回は、そんなマーケティングの中でも特に大切な「お客さんの心の動き」に注目してみましょう。まるで「旅」をするように、お客さんがどんな気持ちで商品と出会い、手に入れるのかを、一緒に探っていきますよ!

目次

はじめに:マーケティングって何だろう?

私たちの周りには、たくさんの会社やお店がありますよね。ジュースやお菓子を作っている会社、ゲームを作っている会社、服を売っているお店、カフェなど、いろいろです。

これらの会社やお店は、作った商品やサービスを「買ってもらいたいな」「使ってもらいたいな」と思っています。でも、ただ作って置いているだけでは、なかなか買ってもらえませんよね?

そこで登場するのが「マーケティング」というお仕事です。

マーケティングとは、簡単に言うと「お客さんが本当に欲しいと思うものを見つけたり、作ったり、それを上手に伝えたりして、お客さんに喜んで買ってもらうためのお仕事」のことです。

例えば、夏に新しいアイスクリームを出すとしたら、

  • どんな味のアイスがいいかな?(お客さんが喜ぶ味を見つける)
  • どんなパッケージにしたら手に取ってもらえるかな?(魅力を伝える)
  • どこで売ったらたくさんの人が買ってくれるかな?(届ける場所を考える)
  • テレビCMでどんな風に伝えようかな?(メッセージを考える)

こんな風に、お客さんのことを一番に考えて、商品やサービスを届けるまでの一連の活動がマーケティングなんです。

第1章:お客さんの「心の旅」って何?【カスタマージャーニー】

旅ってどういうこと?

マーケティングでは、「カスタマージャーニー(Customer Journey)」という言葉がよく使われます。これは「お客さんの旅」という意味です。

私たちがどこかへ旅行に行くときを想像してみてください。まず「どこに行こうかな?」と考え、情報収集したり、交通手段を調べたり、予約したり、実際に旅行に行ったり、帰ってきて思い出を話したりしますよね?

それと同じように、お客さんが「何か欲しいな」と思ってから、実際にその商品やサービスを買って、使ってみて、最後にどんな気持ちになるかまでの一連の流れを、まるで「旅」のように捉えるのがカスタマージャーニーなんです。

例えば、あなたが新しいゲームを欲しくなったとします。

  • 友達が楽しそうに話しているゲームの話を聞いて「へー、面白いのかな?」と思う。
  • ネットで調べて、どんなゲームか詳しく見る。
  • 「このゲーム、私もやってみたいな!」とワクワクする。
  • お店に行って、他のゲームと比べてみる。
  • よし、買おう!と決める。
  • 実際に家でプレイしてみて「すっごく楽しい!」と思う。
  • 「このゲーム、最高だよ!」と友達に話す。

どうですか?これも一つの「心の旅」ですよね。

なぜ「心の旅」が大切なの?

このお客さんの「心の旅」を考えることが、マーケティングではとっても大切なんです。なぜなら、その旅の途中で、お客さんがどんなことを感じて、どんなことを考えているのかが分かると、ぴったりのタイミングで、ぴったりの情報やお手伝いが提供できるようになるからです。

例えば、あなたがゲームを「知ったばかり」の時に「今すぐ買ってください!」と言われても、「え、まだどんなゲームか知らないし…」ってなりますよね。でも、あなたが「どのゲームを買おうかな?」と悩んでいる時に「今ならこのゲームがお得ですよ!」という情報が来たら、「おお、ちょうどいい!」って思うかもしれません。

お客さんの心の状態に合わせて、コミュニケーションを変えるために、「心の旅」を知ることがすごく大事なんです。

それでは、いよいよお客さんの「心の旅」を、4つのステップに分けて深掘りしていきましょう!

第2章:【心の旅】を深掘りする4つのステップ(感情で読み解く)

ここからは、お客さんが商品やサービスに出会ってから、手に入れて、さらにその後までを、4つの大きなステップで見ていきます。それぞれのステップで、お客さんがどんな「感情」を持っているのか、一緒に想像してみましょう。

ステップ1:お客さんは「何を知らない」んだろう?【認知】

このステップは、お客さんが「まだその商品やサービスを知らない」状態、または「自分の困りごとや欲しいものが何か、はっきりとは気づいていない」状態です。

例えば、夏に喉が渇いたな、と思った時に、目の前に新しい自動販売機があっても、どんなジュースが売っているか知らなければ、買おうとは思いませんよね。

会社やお店は、まず「私たちの商品やサービス、こんなのがありますよ!」と、お客さんに「気づいて」もらうことを目指します。

この時の「気持ち」は?

  • 無関心: まだ何も知らないから、興味もない。
  • ぼんやりとした不安: 「何か困ってるんだけど、何だろう…」という、漠然とした悩み。
  • 普段通り:: いつもと同じ毎日で、特に変化がない。

(例:夏に喉が渇いたな〜。でも特に何か買おうってわけじゃないんだよな〜。)

マーケティングでは、テレビCM、Web広告、SNSでの発信、看板などで、たくさんの人に「知って」もらうための工夫をします。

大切なのは、「この商品、私のためのものかも?」と、ふと意識してもらうことです。

ステップ2:お客さんは「何に興味を持つ」んだろう?【興味・関心】

次のステップは、お客さんが「あ、これ、ちょっと気になるな」と、商品やサービスに興味を持ち始める状態です。

さっきのジュースの例だと、自動販売機に貼ってあるポスターを見て、「へー、こんな新発売のジュースがあるんだ!」「なんだか爽やかそうだな」と思う瞬間です。

または、友達が「あのゲーム、めちゃくちゃ面白いよ!」と話しているのを聞いて、「どんなゲームなんだろう?私も調べてみようかな」と思う瞬間もここです。

この時の「気持ち」は?

  • 好奇心: 「これは何だろう?」「どんなことができるんだろう?」
  • ひらめき: 「もしかして、私の困りごとを解決してくれるかも?」
  • ワクワク: 新しい発見や可能性に、ちょっとだけ心が躍る。

(例:この新発売のジュース、なんだか見た目が可愛いし、健康に良さそう!ちょっと調べてみようかな。)

会社やお店は、お客さんがもっと詳しく知りたい、もっと興味を持ちたいと思ってもらえるように、Webサイトで詳しい情報を載せたり、商品の魅力を伝える動画を作ったり、SNSでリアルな使い方を紹介したりします。

ここでは、お客さんが「もっと知りたい!」と思う「きっかけ」を作ることが大切です。

ステップ3:お客さんは「何を比べ、なぜ欲しくなる」んだろう?【検討・欲求】

このステップは、お客さんが「これ、本当に私に必要なのかな?他のものと比べてどうなんだろう?」と考え、最終的に「やっぱり欲しい!」という気持ちが強くなる状態です。

新発売のジュースに興味を持ったあなたが、他のジュースと比べて「このジュースは、他のより甘さ控えめなんだな」「ビタミンがたくさん入ってるのか!」「値段はちょっと高いけど、その価値はありそうだな」と、自分にとってのメリットを考え始めるのがここです。

友達に勧められたゲームも、YouTubeでプレイ動画を見たり、レビューを読んだりして、「このゲームは他のゲームと比べて、グラフィックがきれいだな」「ストーリーが深そうだな」「みんなも面白いって言ってるし、やっぱりこれにしよう!」と決めるのがこの段階です。

この時の「気持ち」は?

  • 比較: 「どっちがいいかな?」「私に合うのはどれだろう?」
  • 期待: 「もし手に入れたら、もっと楽しくなるはず!」
  • 不安: 「本当に買って大丈夫かな?」「失敗しないかな?」
  • 欲求:: 「やっぱりこれが欲しい!」「早く手に入れたい!」

(例:このジュース、ちょっと高いけど、健康に良いなら飲んでみたいな。これで今年の夏は元気に過ごせるかも!)

会社やお店は、お客さんが安心して選べるように、商品の詳しい説明、お客さんの声(レビュー)、他の商品との比較、お得なキャンペーン情報などを伝えます。また、お客さんの不安を解消するために、よくある質問に答えたり、保証制度を説明したりします。

ここでは、お客さんの「欲しい!」という気持ちを強くし、安心して「よし、買おう!」と思ってもらうことが大切です。

ステップ4:お客さんは「どうやって買って、その後どう思う」んだろう?【購入・利用】

最後のステップは、お客さんが実際に商品やサービスを「手に入れて、使ってみる」状態です。そして、その後「どう感じたか」がとても重要になります。

あなたがジュースを自動販売機で買って、飲んでみた瞬間ですね。 「わー、爽やか!」「期待通り美味しい!」「ちょっと甘すぎたかな…」など、色々な感想が出てきます。

ゲームを買って、実際にプレイしてみて、「想像以上に面白い!」「めちゃくちゃハマっちゃった!」「あれ?なんか期待と違ったな…」と感じるのもここです。

この時の「気持ち」は?

  • 満足: 「買ってよかった!」「期待以上だった!」
  • 安心: 「ちゃんと届いた」「問題なく使えた」
  • 喜び: 商品を使うことで得られる、楽しさや便利さ。
  • 感動: 予想を超える体験に、心が動かされる。
  • 時には不満:: 「あれ?なんか違うな…」「期待外れだった」

(例:このジュース、想像以上にスッキリしてて美味しい!これはリピート決定だ!)

会社やお店は、お客さんがスムーズに購入できるように、分かりやすい支払い方法や、丁寧な配送、使い方が分かる説明書などを用意します。そして、購入後も「ありがとう」の気持ちを伝えたり、困ったときに相談できる窓口を用意したりします。

ここで一番大切なのは、お客さんに「買ってよかった!」と心から思ってもらうことです。そうすると、そのお客さんはまた同じ会社の商品を買ってくれたり、友達に「これいいよ!」と教えてくれたりするようになるんです。

第3章:なぜ「心の旅」を深掘りするの?

ここまで、お客さんの「心の旅」を4つのステップで見てきました。それぞれのステップで、お客さんがどんな「気持ち」になっているかを想像することが、なぜそんなに大切なのでしょうか?

それは、大きく分けて3つの理由があります。

お客さんが「えらい!」って思う商品やサービスを作れる

お客さんの心の動きを深く理解することで、「あ、お客さんはここでこんなことで困ってるな」「ここでこんな情報が欲しいんだな」ということが分かります。すると、お客さんが本当に「これが欲しかったんだ!」と思うような、もっと素晴らしい商品やサービスを考えたり、今あるものを改善したりできるようになります。

お客さんの「えらい!」や「わかってるね!」という声は、商品やサービスをより良くするための宝物なんですね。

ムダなく、ぴったりの方法で伝えられる

お客さんがどのステップにいるのか、どんな気持ちなのかが分かれば、ムダな広告や情報発信を減らすことができます。

例えば、まだ商品を知らない人にいきなり「今すぐ購入!」という広告を見せても効果は薄いです。でも、商品に興味を持ち始めた人には「詳しい情報はこちら!」、悩んでいる人には「購入者の声」を見せるなど、その時の心の状態にぴったりのメッセージを、ぴったりの場所(テレビ、ネット、お店など)で伝えられるようになります。

そうすることで、広告にかかるお金や時間もムダにならず、効率的にお客さんに届けることができるんです。

長く愛される関係を築ける

「買って終わり」ではなく、購入して使ってみた後のお客さんの気持ちも大切にすることで、お客さんは「この会社は、私たちのことを本当に考えてくれているんだな」と感じます。

満足してくれたお客さんは、また同じ商品を買ってくれたり、新しい商品が出たら興味を持ってくれたり、さらに友達や家族に「これ、すごくいいよ!」とおすすめしてくれたりします。これは、新しいお客さんを探すよりも、ずっと大切で、力強い応援になります。

お客さんの「心の旅」に寄り添い続けることで、お客さんと会社やお店の間に、まるで友達や家族のような、長く続く良い関係を築くことができるんです。

第4章:キミも「心の旅」を想像してみよう!

さて、ここまで読んで、マーケティングが「お客さんの心の旅」を深く考えることだと分かってもらえたでしょうか?

この考え方は、特別なことではありません。実は、私たちも毎日、無意識のうちにいろんな「心の旅」をしています。

身近なもので考えてみる

例えば、あなたが新しいスマートフォンが欲しいと思った時のことを想像してみてください。

  • 認知: 友達が新しいスマホを見せている。「へー、なんか新しいスマホ欲しくなってきたな…」
  • 興味・関心: CMで新しいスマホの機能が紹介されている。「カメラの性能すごいな!私もこんなきれいな写真撮りたい!」
  • 検討・欲求:: お店に行って、実際に触ってみる。店員さんに話を聞いたり、ネットで他のスマホと比較する。「このスマホ、ちょっと高いけど、長く使うなら絶対これだな!」
  • 購入・利用:: ついに新しいスマホをゲット!使ってみて「うわー、サクサク動くし、写真も超きれい!」「友達に自慢しよう!」

どうですか?あなたの身の回りにある、洋服、文房具、学校の給食、好きなアーティストのライブなど、どんなものでも「心の旅」を想像することができます。

想像する時のヒント

「心の旅」を想像するときは、次のことを考えてみてください。

  • その時、どんな「感情」がわいてくるだろう? (ワクワク、不安、安心、嬉しいなど)
  • どんな「情報」が欲しいだろう? (詳しい機能、みんなの声、値段など)
  • どこでその情報を見つけられるだろう? (お店、ネット、友達など)
  • どんな「行動」をするだろう? (調べる、お店に行く、友達に聞くなど)

自分がお客さんの立場になって、その時の気持ちを深く想像することが、この「心の旅」を理解する一番の近道なんです。

まとめ:お客さんの心に寄り添うマーケティング

マーケティング古典理論における【カスタマージャーニー】は、お客さんが商品やサービスと出会い、購入し、そしてその後どう感じるかまでの一連の「心の旅」を指します。この旅を、それぞれのステップで生じる「感情」に注目して深掘りすることが、現代のマーケティングにおいて非常に重要です。

今回紹介した4つのステップは、以下の通りでした。

  1. 【認知】:まだ知らない、漠然とした状態
  2. 【興味・関心】:「これ、気になる!」と目が向く状態
  3. 【検討・欲求】:他のものと比べ、本当に欲しいと思う状態
  4. 【購入・利用】:実際に手に入れて、使ってみてどう感じるか

それぞれの段階で、お客さんがどんな気持ちになっているのか、どんな情報が欲しいのかを想像することで、私たちは、よりお客さんに喜んでもらえる商品やサービスを作り、最適な方法でその魅力を伝えることができるようになります。

お客さんの心に寄り添い、その「心の旅」を最高の体験にすることが、マーケティングの目指す場所なんです。

身の回りの「心の旅」を想像してみて、マーケティングの面白さを感じてみてくださいね。

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